PAW(高速空気・水混合洗浄)工法

PAW工法

水と空気だけで、水道本管をすばやく洗浄する。

PAW工法とは

圧縮空気と水で管内に高速の気液二相流をつくり、堆積物・付着物・浮遊物を短時間で除去する洗浄工法です。 管内に入れるのは水と空気だけで、薬品や固形物を使いません。掘削や管の切断も不要で、 夜間の断水時間内での施工が可能です。

こんな場合に適しています

  • 薬品や固形物を管内に入れたくない場合
  • 経年化が進んだ管路や、ライニング被膜・塗膜の剥離リスクを最小限に抑えたい場合
  • 夜間の限られた断水時間で施工したい場合
  • 一度に長い区間(1スパン最大約1,500m)をまとめて洗浄したい場合
PAW工法の概要図。洗浄車から圧縮空気と水を送り込み、下流の排水処理車で夾雑物を回収する断面図
PAW工法の概要(洗浄車から圧縮空気と水を注入し、下流で排水・回収する)

仕組み

「水塊」をつくり、高速で走らせる

仕切弁の操作で管内を少量の通水状態にし、そこへ適正な割合で圧縮空気を注入すると、 水のかたまり(水塊)が生まれます。この水塊を管内で高速に移動させると、 進行方向のうしろに強い旋回流が発生します。 付着した鉄分やマンガンなどをはがし、堆積物を除去するのはこの旋回流です。圧縮空気を連続して注入するため水塊が次々に発生し、 一度の施工で多くの回数、管内面をこすることになります。

  • 初期設定の管内流速は約0.3m/秒。PAW工法では5m/秒を超える
  • 従来の放水洗浄は0.8〜1.2m/秒程度が上限で、この流速には届かない
  • 管内に入れるのは水と空気のみ(薬品・固形物を使わない)
透明な管の内部を撮影した写真。水のかたまり(水塊)が管内を進み、そのうしろで水が白く泡立ちながら旋回している
管内の様子(水塊と旋回流の発生状況)

洗浄する区間だけを、周辺に影響を出さずに洗う

仕切弁の操作によって洗浄する区間を切り分けるため、 周辺の管路に濁水を発生させるおそれがありません。 分岐した管路であっても、断面積の合計が洗浄する本管の断面積以下であれば、 複数の管を同時に洗浄できます。 洗浄に使う水の量が少なく済むため、排水の処理も簡単です。

洗浄車から圧縮空気と水を注入し、管内で気液二相流を発生させ、下流の排水処理車へ夾雑物を排出する流れの断面図
上流から水と空気を注入し、下流で流量測定と夾雑物の回収を行う

特徴

適用条件

PAW工法の適用条件(現時点で公開されている値)
対応口径 φ250mmまで(施工実績はφ50〜150) ※各種条件によります
施工延長 最大1.5km(1スパン) ※各種条件によります
適用管種 石綿管以外のすべての管
接続箇所 地下式/地上式消火栓、空気弁(フランジ)
断水時間 夜間の断水時間内で施工可能
使用材料 水と空気のみ(薬品不使用)
効果の確認 施工前後の管内カメラ調査

もう一方の工法との違いは工法の使い分けガイドでご確認いただけます。

施工の流れ

  1. ステップ1

    事前カメラ調査

    管内カメラで洗浄前の状態を記録し、堆積物や付着物の状況を確認します。

  2. ステップ2

    区間設定・機材設置

    消火栓や空気弁、仕切弁の位置からあらかじめ洗浄区間を設定し、 その消火栓や空気弁に注入・排出の機材を接続します。

  3. ステップ3

    洗浄(気液二相流の注入)

    上流から水と圧縮空気を注入し、下流で流量を測定しながら夾雑物を回収・排水します。

  4. ステップ4

    事後カメラ調査

    同じ箇所を再度撮影し、洗浄前後の管内を比較して効果を確認します。

施工事例

洗管前後の管内比較

事例1・上水道配管(φ100)

洗管前

事例1・上水道配管(φ100):洗管前の管内

管の内面に付着物と堆積物が見られる

洗管後

事例1・上水道配管(φ100):洗管後の管内

内面が現れ、堆積物が除去されている

事例2・温泉水配管

洗管前

事例2・温泉水配管:洗管前の管内

洗管後

事例2・温泉水配管:洗管後の管内

洗浄中の排水を見る

事例1(上水道配管)の洗浄中の排水状況。約54秒・音声あり。 途中で水音が大きくなるところが、空気が到達した瞬間です。

動画の内容(テキスト)

管から排出された水が、道路脇の側溝へ流れ続けています。 はじめの8秒ほどは水の音が一定ですが、そのあと音が明らかに大きくなります。 これが管内に空気が到達した瞬間で、画面にも「空気到達」と表示されます。 PAW工法は水と圧縮空気を交互に送り込んで水塊をつくる工法のため、 空気が届いたことは音の変化として分かります。

後半では、作業者がビーカーで排水を採取しています。 採取された水は茶色く濁っており、管の内面から剥がれた付着物が 水とともに排出されていることが見て取れます。 この濁りは洗浄の進行にともなって薄くなっていきます (その推移は、下の事例1に掲載した排水サンプルの写真で確認できます)。

ナレーションはありません。音は現場の排水音のみです。