放水(排水洗浄)工法

放水工法

水を流して、たまったものを押し出す。いちばん基本の洗浄。

放水工法とは

排泥弁や消火栓、管末に取り付けた排水器から水を放出し、その流れで管内の夾雑物と停滞水を 排出する洗浄です。管の新設・更新工事のあとの消毒・洗浄と、既設管の濁りに対する 予防保全の両方で行われます。管内に装置を入れないため準備が軽く、 定期的な維持管理として繰り返し実施しやすいのが特徴です。

こんな場合に適しています

  • 新設・更新工事のあとの管内の消毒・洗浄
  • 濁りの予防保全として、定期的に実施したい場合
  • 沈殿した夾雑物や停滞水の排出が目的の場合
  • 事業体の体制上、洗浄作業を外部に委ねたい場合
管から大量の水が勢いよく放出され、法面を流れ落ちている現場写真
放水の様子

仕組み

水を流し、その勢いで押し出す

排泥弁や消火栓、管末に取り付けた排水器から水を放出します。 仕切弁を操作して洗浄する区間を区切り、上流から下流へ順に流していくことで、 管内にたまった夾雑物と停滞水を排出します。 管内に装置を入れないため、掘削や管の切断は必要ありません。

  • 掘削・管の切断が不要
  • 既設の排泥弁・消火栓・管末の排水器を利用する
  • 仕切弁の操作で洗浄する区間を区切る
道路上の弁室に放水用の器具を取り付けている現場写真
既設の弁室・消火栓に器具を設置する
作業員が放水口に立ち、放水の状況を確認している現場写真
放水作業

できること・できないこと

放水で取り除けるのは、管内に沈殿した夾雑物や停滞水です。 一方で、管の内壁にこびりついた付着物は水流だけでは落ちにくく、 その場合はPAW工法やSCOPE工法のように物理的な力を加える洗浄が必要になります。 まず放水で様子を見て、改善しきらない場合に他の工法を検討する、という進め方もできます。

  • 得意なこと … 沈殿した夾雑物・停滞水の排出、通水後の消毒・洗浄
  • 苦手なこと … 管内壁に固着した付着物・錆瘤の除去

特徴

適用条件

放水工法の適用条件(現時点で公開されている値)
洗浄の原理 通水(放水)による排出
接続箇所 既設の排泥弁・消火栓、管末の排水器
使用材料 水のみ(薬品・装置を使わない)
取り除けるもの 沈殿した夾雑物・停滞水 ※管内壁に固着した付着物の除去には向きません
効果の確認 排水作業記録表(排水時間・排水量・夾雑物の排出量・残留塩素濃度)。管内カメラ調査を併用する場合もあります

もう一方の工法との違いは工法の使い分けガイドでご確認いただけます。

施工の流れ

  1. ステップ1

    作業計画

    洗浄する区画・作業時間・作業分担などの計画を立てます。

  2. ステップ2

    予備調査(現場下見)

    配管図をもとに図面と現地の相違を確認します。病院や店舗など応急給水の要否、排水先、地形、作業の障害の有無もあわせて確認します。

  3. ステップ3

    洗浄作業

    放水を実施します。排水時間・排水量・洗浄前後の夾雑物の排出量・残留塩素濃度などを排水作業記録表に記録します。

  4. ステップ4

    結果の整理と経過観察

    濁水の発生範囲や苦情の有無などを整理・分析し、作業後の経過を観察します。

洗浄による変化

2本の瓶を並べた写真。左は茶色く濁った水、右は透明な水
排水の比較
洗浄中に採取した水(左)と、洗浄後の水(右)
管から白く濁った水が側溝へ排出されている現場写真
排水の状況
側溝へ排出される洗浄水
夜間、照明を立てて放水洗浄を行っている現場写真
夜間の作業
断水の影響を抑えるため夜間に実施することもあります

洗管前後の管内比較

管内の状況

洗管前

管内の状況:洗管前の管内

管の内面に付着物と浮遊物が見られる

洗管後

管内の状況:洗管後の管内

浮遊物が排出され、内面が確認できる

導入いただいた事業体の声

  • 水質の維持管理に役立っている。
  • 残留塩素の濃度を確保できた。
  • 管内の夾雑物を除去できた。
  • 仕切弁が実際に操作できるかどうかもあわせて確認できた。
  • 配水管の更新までの期間を延ばせた。